Vol.28 産後の抜け毛は予防できる?抜け毛の原因と産前・産後にできるケア

2021.10.21

Vol.28 産後の抜け毛は予防できる?抜け毛の原因と産前・産後にできるケア

出産後に抜け毛が増え、薄毛に悩む女性は少なくありません。 産後の抜け毛はホルモンバランスが乱れるせいだと思われがちですが、他にもさまざまな原因があります。

どのような原因で産後に抜け毛が増えるのかを知り、適切な対処法を実践しましょう。 この記事では、産後の抜け毛が起きる原因やメカニズム、対処法などについて解説します。

INDEX

私だけ?産後に抜け毛が多くなる女性の割合とその時期

産後に抜け毛が多くなると「もしかして自分だけなのでは」と不安になる人も多いでしょう。

しかし、多くの女性が同じ悩みを抱えていることはデータでも示されています。 あるアンケートで産後に抜け毛が増えたかどうかを質問したところ、実に約6割強の女性が産後に抜け毛の悩みを感じたという結果が出ています。
※子育てアプリ「ninaru baby」調べ

子育てと抜け毛の相関性

また、「産後からどれくらいの時期に抜け毛が多くなったか」という質問では、「産後1ヶ月以内」と回答した人が21%、「産後3ケ月以内」が72%、「産後4ヶ月目以降」が7%となりました。 アンケートを見てみると、子育てにまだまだ慣れない産後間もなくの期間に抜け毛を実感する人が多いようですね。
※子育てアプリ「ninaru baby」調べ

産後に抜け毛が増える4つの原因

産後に抜け毛が増える症状は「分娩後脱毛症」と呼ばれており、出産を経験した多くの女性が通る道です。 分娩後脱毛症が起こる原因にはいくつかのパターンがあるため、自分の場合はどのケースに該当するのか正しく見極めてください。 ここからは、分娩後脱毛症の主な原因を4つ紹介します。

ホルモンバランスの急激な変化

広く知られているとおり、ホルモンバランスの急激な変化は分娩後脱毛症の大きな原因です。 髪の毛は「成長期」「退行期」「休止期」という毛周期を繰り返す中で成長します。 成長期は毛がよく伸び、退行期は成長が止まり、休止期は抜けるのを待っている状態です。 女性ホルモンには成長期を長引かせる作用があり、妊娠中は女性ホルモンの分泌量が増えるので髪の毛が抜けにくくなります。

しかし、出産を終えると女性ホルモンの分泌量が急激に減り、髪の毛が一気に休止期や退行期へ移行するので抜け毛が増えます。 つまり、妊娠中は女性ホルモンの影響で寿命が伸びていた髪の毛が、出産した後で一気に抜け落ちるということです。 ホルモンバランスが落ち着けば、基本的には抜け毛のペースも元通りになります。

栄養不足

産後の抜け毛と栄養バランス

栄養不足が産後の抜け毛の原因となるケースもあります。 髪の毛が成長するためには、タンパク質やビタミン、亜鉛などの栄養が必要です。

しかし、産後は育児に忙しくて十分な食事ができなかったり、妊娠中の肥満解消のために食事制限をしたりして、しっかりと栄養が摂れていない女性も少なくありません。 栄養が供給されなければ髪の毛は成長できず、必然的に抜けやすくなります。 また、髪の毛の質も悪くなり、ボリュームが減って薄毛にもなりやすいので注意が必要です。

ストレス

産後かどうかにかかわらず、ストレスは抜け毛を引き起こす要因の一つです。 育児の疲れや睡眠不足などでストレスがたまると自律神経が乱れ、末梢血管が収縮して血行が悪くなる場合があります。 血行不良になると頭皮に十分な栄養や酸素が供給されなくなり、抜け毛の増加につながるのです。

産後の抜け毛とストレス

また、ストレスによってホルモンバランスが崩れ、男性ホルモンが過剰に分泌される場合もあります。 男性ホルモンの分泌量が増えれば皮脂の分泌量も増えるため、頭皮環境が悪化しやすくなります。 毛穴が詰まったり、雑菌が繁殖したりして髪の健康が損なわれることも抜け毛の原因の一つです。

その他、ストレスが生じさせる活性酸素の分解には亜鉛が必要ですが、亜鉛を代表して髪の毛の成長にも欠かせない成分です。 ストレスをためることで亜鉛の消費量が増え、髪の毛に必要な量が確保できなくなることで抜け毛が増えるケースもあります。

出産後甲状腺機能異常症

出産後甲状腺機能異常症とは、出産をきっかけに発症する甲状腺の機能異常の総称です。 甲状腺はのどぼとけの下にある臓器で、妊婦のうち5%が甲状腺の機能異常を起こすともいわれています。 発症すると新陳代謝をコントロールする甲状腺ホルモンの分泌量が乱れ、新陳代謝が活発になったり、不活発になったりする場合があります。

その結果、原因不明の体調不良に見舞われる、髪の毛が成長せず薄毛になる、反対に成長しすぎて次々に抜け落ちるといった症状につながるので注意が必要です。 過去にバセドウ病や甲状腺炎と診断されたことがある人、抜け毛以外に体重減少や指の震えといった症状がある人は、甲状腺機能検査を受けてみましょう。

産後の抜け毛はいつからいつまで続く?

産後の抜け毛がいつ頃落ち着いたのかについてアンケート調査を行ったところ、「産後1~3カ月」と答えた人が22%、「産後4~6カ月」が同じく22%、「産後7~9カ月」が最も多く38%、「産後10~12カ月」が7%、「産後1年以上」は11%という結果でした。 産後7~9カ月で抜け毛が落ち着いた人が多いものの、産後1~3カ月や産後1年以上と答えた人も一定数おり、個人差が大きいことがわかります。
※子育てアプリ「ninaru baby」調べ

産後の抜け毛が収まるまで

一般的に、抜け毛が起こる場合は産後すぐに抜けはじめ、次第に量が増えて2~3カ月ほど経った頃から目立つようになります。 その後、6カ月頃までにピークを迎えて少しずつ落ち着いていき、1年ほどで元通りになるのが通常の流れです。

ただし、産後の抜け毛の原因は女性ホルモンやストレスなど人によってさまざまなので、抜け毛が続く時期は個人差が大きいと考えておきましょう。 また、全体的にではなく部分的に髪の毛が抜ける場合、円形脱毛症などの可能性もあるので皮膚科での受診をおすすめします。

産後の抜け毛が気になるときの対処法

産後の抜け毛を予防するのは困難ですが、適切なホームケアで抜け毛の量を減らせる場合もあります。 抜け毛のストレスでさらに抜け毛が増えてしまうといった悪循環に陥る恐れもあるため、自分でできる対処法を知っておきましょう。 ここからは、産前と産後にできる抜け毛の対処法を紹介します。

産前からできる抜け毛ケア

抜け毛は産後に急増するのが一般的ですが、ストレスや栄養不足などが原因で産前に増えるケースもあります。 産前からの抜け毛対策として、まずは栄養バランスの整った食生活を心がけましょう。 髪の毛の95%はケラチンと呼ばれるタンパク質でできており、このケラチンを生成するために必要なタンパク質やビタミン、ミネラルを多く含む食品を積極的に摂ることが重要です。

産前の薄毛と亜鉛

特に、代謝を活発化させるビタミンB群を多く含む豚肉やレバー、タンパク質の生成に関与する亜鉛を多く含むほうれん草やワカメといった食材を取り入れてください。 また、抜け毛を機に髪型を変えてイメージチェンジを図る方法もおすすめです。

産後にできる抜け毛ケア

産後の抜け毛の大きな原因は女性ホルモンの変化なので、ホルモンバランスを早く整える対策が肝要です。 規則正しい生活や質の良い睡眠、栄養バランスの良い食事、定期的なストレス発散などを心がけ、髪の毛の健康を守りましょう。

産後の抜け毛と睡眠

とはいえ、育児をしながら前述のような対策を続けるのは困難です。 昼間に軽く運動する、朝日を浴びて体内時計をリセットする、赤ちゃんが眠っている隙に自分も寝るなど、できることから始めてください。

また、洗浄力の強すぎるシャンプーは頭皮を傷めやすく、抜け毛の増加にもつながります。 健康な髪の毛が生える土台を整えるために、肌にやさしいシャンプーやヘアケア用品を使うことも重要です。

産後の抜け毛は悩みすぎない!こまめなケアで対策を

産後の抜け毛は出産した女性の6割強が経験していることなので、心配しすぎる必要はありません。 とはいえ、毎日大量の髪の毛が抜けると不安に陥りやすく、ストレスもたまるのではないでしょうか。

産後の抜け毛に悩んでいるときは、原因を正しく理解したうえで適切な対策を講じる必要があります。 出産前にできることから抜け毛ケアを始めておきましょう。

  • ミューノアージュ / MUNOAGE

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