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Vol.14 〝嬉しい忙しさ〟は 人をどんどん若くする

忙しさ〟にも、明らかに2種類ある。

単純に〝嬉しくない忙しさと嬉しい忙しさ〟。
つまり、人を不機嫌にしたりピリピリさせる忙しさと、
逆に人を明るく元気にさせる忙しさがあるということ。
だから、忙しさを一緒くたにして、〝忙しいことは美容に悪い〟と
決めつけるのは、少し違うのかもしれないと思うのだ。

たとえばの話、大ブレイク中のタレントが、それこそ睡眠時間1~2時間で、
分刻みにびっしりとつまったスケジュールをこなしていたとして、
そういう生活が体に良いわけはないけれど、超売れっ子のタレントほど、
めきめき美しくなることに気づくことがある。

もちろん〝どこへ行っても人目にさらされ、注目されること〟、
それだけで人がめきめき美しくなるのは確かだけれど、
その尋常ではない忙しさが、尋常ではないエネルギーを細胞に与え、
細胞分裂のターボのスイッチをONにし続けるのもまた確か。

もちろんそれも、超多忙の一瞬一瞬を〝自らの成功の証〟として喜んでいるからで、
いかに大きな成功のプログラムも、もしもそこまでの忙しさを嬉しく思っていなかったら、
ひどい睡眠不足がそっくりストレスとなって、免疫力を低下させ、
真皮のコラーゲンを直接的に奪っていったりするのだろう。

だから、大ブレイク中に倒れてしまったりするのは、
忙しさに喜びを感じられなかった場合の歪みなのだ。
どんな忙しさもそれが嬉しければ、あり得ないパワーに変わるはずだから。

一般社会で言えば、〝毎日終電まで残業〟というような〝激務〟も、
もしそれを楽しいと思うなら続ければいいが、
その忙しさに悲しみを感じるならば、すぐに何かを変えなければいけない。

そういう仕事のし方は健全ではないし、
遅かれ早かれ実りのない報われない仕事からは逃げ出したくなるのだろうが、
そういう負の忙しさからは自らを早く解放してあげないと心も体も危ない。

なのに同じように毎日5時間の残業が続いても、
それが何だかワクワク嬉しい時間なら、体も心も蝕まない。
本当に気持ちの向きひとつなのだ。

ではこういう比較はどうだろう。
時間をもて余すくらいのヒマと、嬉しい忙しさはどちらが人にとって有益か?

もちろん睡眠時間が数時間では困る。
でも時間が余りすぎて10時間もベッドにいる生活も健全とは言えない。
少なくとも〝明日の予定が決まっていない毎日〟は、
細胞エネルギーを減退させるというから、
やっぱり〝嬉しい忙しさ〟の方に軍配があがってしまうのだ。

一体どういうふうに予定をこなしているのだろうと、
不思議になる人ほど、本当に年齢よりも若い。
「もう忙しくって忙しくって、やんなっちゃう」と笑っている人は、
むしろどんどん若くなる。嬉しい忙しさは、
毎日集中トリートメントをしているような即効的な生命感を生み、
目に見えない上向きリフトアップ効果をもたらすのだろう。

だから大人の女は忙しさを楽しむ人が勝ち。
あなたは忙しさを楽しめる女だろうか。
齋藤 薫 [美容ジャーナリスト]

女性誌編集者を経て独立。 女性誌において多数の連載エッセイを持つ他、美容記事の企画、化粧品の開発・アドバイザー、NPO法人 日本ホリスティックビューティ協会理事など幅広く活躍。『Yahoo!ニュース「個人」』でコラムを執筆中。新刊『されど“男”は愛おしい』(講談社)他、『“一生美人”力人生の質が高まる108の気づき』(朝日新聞出版)、『されど“服”で人生は変わる』(講談社)など著書多数。