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Vol.2 「諦めない人」は何をどう諦めないのか?

40代以降の明暗をハッキリ分けてしまうもの
女にとって40代は、ひとつの大きな“分かれ道”であると言われる。老けていく人と老けない人が、ハッキリ二分される分かれ道。でも見た目にはまだあまり差がないはずの却代が、なぜそれほどハッキリ明暗を分けてしまうのか?

そこにあるのはひたすら“諦め”という感情。若さを諦めてしまうか否か、そういう気持ちの向きだけで、人の見た目は大きく左右されてしまうということなのだ。

でも“諦める”って何をしないことなのだろう。そして“諦めない”って、何をどう諦めないことなのか?そこがわからないという人もきっといるはず。もちろん心の中のこと。「私はまだまだ若い」と思えるだけでいいのかもしれなぃ。でも逆に言えば、心の中のことだからこそ、鏡の中にシワを2、3本見つけただけで、くじけそうにもなってしまう。何か“諦めない”上での、もっと確かな支えがほしいと思うのじゃないだろうか。

もちろん諦めたくないから、化粧品をいっぱい買う、毎日せっせとお手入れをする・・・・・・それだけで充分なのだけれど、そういうモチベーションを生む何かの支えがほしいと思うのじゃないか。

衰えは行ったり来たり、いきなりはやってこない!
40代の半ば頃だったか、かつての同級生にバッタリ会った。学生の頃よりむしろ美しくなっていて驚いた。驚くと同時に少しショックだった。その人とは学生の頃、同じ“男子”を好きになった恋のライバルで、もうとつくの昔に終わった話だけれど、彼女はこんなにキレイなのに、という小さな焦りを今さらのように感じたのだ。自分はこういう仕事をしていながら、どこかで何かを諦めていた。中途半端な知識があるから余計に、加齢という宿命には勝てないのだと自らに言い聞かせていたのかもしれないと。

だからその時、何となくだけれど、お手入れ時聞をいつもの3倍、いやそれ以上だったかもしれないが、ともかく今考えうることをひと通りやってみて、メイクもプロになったつもりで、思い切り時聞をかけてやってみていた。たぶんその時の自分にできることはそれしかなかったから。するとどうだろう。家族にも「一体何をしたの?」と驚かれるほど肌が変わった。人間って、想いを込め、気合いを入れた分だけちゃんと見違えられるものなのだ。

ともかくその日から、スキンケアにかける時聞を倍増させた。そうしたら、明らかに一度失った若さが戻ってきたのだ。紛れもなく若返っていた。そこで確信したのは、人間はまっすぐには歳をとってはいかないということ。一見衰えているように見えても、ちょっと気持ちを込めれば必ず戻る。大きくは歳をとっていくけれど、じつは行ったり来たり、老けたり若返ったり、ジグザグを繰り返していくのだと知った。

つまり、ちょっと空気が抜けたらまた空気入れで入れればいい。それを繰り返すことを、すなわち“諦めない”ということだと知ったのだ。人間は必ず戻るのだと知っていれば、それが諦めないための大きな大きなモチベーションになるのである。

“老けない人”は、きっとみんな知っているのだろう。必ず戻れること。空気が抜けてきても、また空気を入れてパンパンにできること。またその“戻る力”にスイッチを入れるのが、“諦めない心”なのだ。諦めないから戻るし、戻れるから、諦めない。それは、“老けない人”の中で起こっているすばらしいスパイラルなのである。
齋藤 薫 [美容ジャーナリスト]

女性誌編集者を経て独立。 女性誌において多数の連載エッセイを持つ他、美容記事の企画、化粧品の開発・アドバイザー、NPO法人 日本ホリスティックビューティ協会理事など幅広く活躍。『Yahoo!ニュース「個人」』でコラムを執筆中。新刊『されど“男”は愛おしい』(講談社)他、『“一生美人”力人生の質が高まる108の気づき』(朝日新聞出版)、『されど“服”で人生は変わる』(講談社)など著書多数。