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Vol.42 60代でまだ恋愛ができるかどうか?

例えば60代でまだ恋愛ができるかどうか、異性の目を意識できるかどうか、それが新しい若さの基準!

10年前までは、”年齢不詳であること”こそ、私たちが目指す若さであった気がする。 言い換えれば一体この人は何歳なのか、従来の見た目年齢に当てはまらない印象を持つことがテーマだった。

それがいつの間にか、自分の年齢を堂々と口にするような、自信に満ちた若さを持つ人が増えていた。 こう見えても、私はもう58歳! そう言って周囲を驚かせるような、言うならばサプライズ的な若さを持つ人が。 またその、サプライズな年齢そのものが、言わばどんどん高齢化、こう見えて私は65歳、私は73歳・・・・・ そういうふうに年齢を重ねるほどに、むしろ自分の若さに、自信を増やしていくような人が増えていったのだ。

でも逆に言えばそんなふうに、年齢に対する意識は時代とともにどんどん変わっていく。 実年齢のその数字で、相手を驚かせるような若さに対しても、世間は早くも慣れてしまいつつある。

つまり、一見60代前半にしか見えないような人が、私はもう73歳!そう言っても、もうそれほど驚かれないくらい、見た目年齢の若い人が増えてきてしまったと言うこと。 もはや若さに対しての感覚が、麻痺していると言わざるを得ないのだ。

それは、年齢などもう本当に意味のないものになってしまったことを意味するのかもしれない。 欧米人は、以前から年齢など気にしない、自ら言うこともないし、聞かれることもない、年齢など”どうでも良いもの”という考え方が主流だったが、日本の年齢観もいよいよその境地まで到達したということかもしれないのだ。

一方で、もうそろそろ次なる若さの基準が欲しくなってきた。 何を持って若いと言うのか、その新しい目安が必要になってきたのだ。

そんな折も折、ある小さなニュースが目を引いた。 女優のシャロン・ストーンが、いわゆる「マッチング・アプリ」に登録したと言う・・・・・ マッチング・アプリとは、出会いを求める男女を結びつけるアプリのことで、趣味や職業、年収なども明らかにして相性のいい相手と出会えるようにコントロールされているため、実際に結婚する人が急増しているという世界的なサービス。 かつての出会い系サイトと異なり、科学的な根拠によって相性を割り出す本気モードのものもあり、安全性も高いと言われる。 とは言え、あの大女優が実名登録したと言うので、ちょっとした物議をかもしたという訳。

この人は現在62歳。 年齢などもう関係がないと言いながら、こだわってしまうようだが、60代でも堂々と出会いを求め、本気で結婚しようと思っている証。 何か勇気づけられるニュースである。

だからこれからの時代、まだ恋愛ができるかどうか、それが何か新しい若さの目安であるかもしれないと思うようになったのだ。 実際に、自分の若さや美しさに自信を持てた時、異性の目をちゃんと意識するかどうか、それは大きな分かれ道。 同性の目は気にしても、異性の目は気にしなくなって久しいと言う人が少なくないのかもしれない。 でもだから改めて異性を意識した時、きっと自分の中で何かが変わるのに気づくのだろう。 ひょっとしたらこれからも恋をするかもしれないと言う気持ちが、女性の本当の美しさを開花させるのは間違いがないから。

既婚者は既婚者で、もう一度夫に惚れ直させると言うテーマを持っても良い。 いずれにしても、異性を意識した美しさの方が、健全でピュア、見る人により強く訴えかけることは間違いないのだ。

だから、もう一度恋ができる若さへ。 そう意識するだけでいい。 あなたの中で何かが変わる。

齋藤 薫 [美容ジャーナリスト]

女性誌編集者を経て独立。 女性誌において多数の連載エッセイを持つ他、美容記事の企画、化粧品の開発・アドバイザー、NPO法人 日本ホリスティックビューティ協会理事など幅広く活躍。『Yahoo!ニュース「個人」』でコラムを執筆中。新刊『されど“男”は愛おしい』(講談社)他、『“一生美人”力人生の質が高まる108の気づき』(朝日新聞出版)、『されど“服”で人生は変わる』(講談社)など著書多数。