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Vol.41 ”祈ること”も1つの美容

~心の中にパワースポットを持って生きるのも美容。~


令和天皇の即位にまつわる数々の行事が終わった。 一連の儀式を見て、様々な場面で何となくでも涙した人は少なかったと思う。 雅子皇后が時折見せる涙を見て、あるいは雅子様の輝くばかりの笑顔を見て、これまで多くの重圧によって、長い間苦労されたことを誰もが知っているからこそ、こみ上げてくるものがあったはずなのだ。


また、パレードも直接見に行った人には、新しい時代を切り開く天皇皇后両陛下が目の前にいると思っただけで自然に涙が溢れ出たと証言した人が少なくなかった。


そしてまた、各国要人を招いて行われた最も厳かな即位の儀に、あの完全なる静寂の中、天皇陛下が高御座に昇り、内外に即位を宣言する直前に、それまで激しく降っていた雨が一瞬にして上り、大きな大きな虹が東京にかかったこと、知っていただろうか。 まさにあの時、ある種の奇跡を感じて、自然に涙が出てきたと言う人もいたと言う。


これらは特別な涙。 ちょっと説明のつかないものといってもいのだろう。 日本人としての霊的な涙だと言うべきなのかもしれない。 日ごろ、キャサリン妃のファッションや、メーガン妃へのバッシングばかり追いかけて、日本の皇室には距離を感じていた人も、一連の儀式によって何かが目覚めた気がしたかもしれないのだ。 おそらくそれは”祈りの力”を信じるスピリチュアルな心・・・・・。


現在の上皇后、美智子様が「私は国民の祈りでありたい」と語られたのは有名な話だけれど、日本の天皇は”平和を祈ること”こそ、自分たちの最も大きな役割と考えていると言われる。 そういう存在なのを感じているから、即位において自然に涙が出るのではないか?


自分はスピリチュアルなことに全く関心は無いと言う人も、ぜひ聞いてほしい。 初詣に行ったり、門松を飾ったり、お月見したり、節句などの年中行事を何らかの形で行う人には、やっぱりスピリチュアルな心が宿っていると考えるべき。 きっと誰の心にもかすかにそういうものは宿っているはずなのだ。


身近なものに神が宿ると考えるのが日本の神道。 つまり太陽や月、海や山、植物や動物など、目にすることができるあらゆるものに神聖な存在を認めて敬うということを、私たちは知らず知らず習慣としてきた。 だからこそパワースポットのようなところに心惹かれたり、パワーストーンを身に付けたりするのだろう。 神社やお寺で、当たり前のように手を合わせるのも同じ。 祈ることこそが、自分たちにとってのスピリチュアルと言えるはずなのだ。


そして今こそ、そういうことをちゃんと心で感じ、大切にするような生き方が求められている気がする。 令和という新しい時代を迎えて、なんだか背筋がぴんと伸びること、居住まいを正せること、それもまた日本的なスピリチュアル。 今まさにそういう風に心を整え、生きる上での意識を新たにすることによって、心と体を浄化するのが、すなわちスピリチュアルの効用なのではないかと思う。 それもまた私たち日本人にとっては、1つの美容であり、アンチエイジング。 日本の美徳を取り戻そうとする動きがある今、まずは身の回りにある物を大切に考えることから始めたい。 自然や人や物を敬うことから・・・・・。

齋藤 薫 [美容ジャーナリスト]

女性誌編集者を経て独立。 女性誌において多数の連載エッセイを持つ他、美容記事の企画、化粧品の開発・アドバイザー、NPO法人 日本ホリスティックビューティ協会理事など幅広く活躍。『Yahoo!ニュース「個人」』でコラムを執筆中。新刊『されど“男”は愛おしい』(講談社)他、『“一生美人”力人生の質が高まる108の気づき』(朝日新聞出版)、『されど“服”で人生は変わる』(講談社)など著書多数。