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Vol.7 歳を重ねるほどに〝髪型〟は女の命になっていく

80代になる母親を美しいと思うのは、
決まって髪がきちんとセットされている日…。
逆に母親もやっぱり歳をとったなと、
娘として少し気落ちするのは、髪に手間がかかっていない日…。

母親世代の印象が、もう見事に髪に左右されてしまうのを見るにつけ、
歳をとるほどに「女は髪なのだ」と気づかされる。


でもなぜ、歳をとるほどに…なのだろう。


おそらく多くの女性が40代から50代のある時期に、
髪型を急に変えたくなるはずだ。

たとえば、ずっとストレートロングにこだわっていたのに、
ある日突然髪を切ってパーマをかけて周囲をビックリさせた人が、
「何だかストレートが急に似合わなくなったことに気づいたの」と言った。

それはひとえに肌が変わってきたせい。

残念ながら、本格的な衰えが始まったサインと考えるべきなのかもしれない。
ストレートが似合わなくなるのは、下にまっすぐ落ちていくストレートとの対比が、
肌のゆるみを目立たせるから。

そして、どこかにたるみが起きてくると、
トップにボリュームが欲しくなるのも、
上向きのベクトルが必要だから。
流れの美しい、手間のかかったウエーブが必須となるのも、
やはり肌のハリを補う意味があるからなのだろう。

もちろん、そういうサインを感じないほど若い肌を保つ人もいるけれど、
一方で年齢とともに髪の生え際が立ち上がらなくなってきたり、
髪そのものが痩せてきたり、そういう意味でもやっぱり髪型にひとつの節目はやってくるのだ。

もうひとつの理由は、髪が〝メイク〟に取って変わるから。

どういうことかと言うなら、人は歳をとるほどメイクが似合わなくなる。
だから、メイクは年齢を重ねるほどに薄くしていかなければならないもの。
口紅もチークも濃くできない、マスカラもアイシャドウもたっぷり塗れない。
限りなく薄化粧が基本になるから、
そのメイクの代役として主役になるのが〝美しく整えられた髪〟なのだ。
だから、口紅の持つ華やアイメイクの強さを、
そっくり再現する華やかでインパクトある髪型が必要になるということ。

もっと言えば、大人の髪にはそういう華やかさや強さがないと、
オシャレそのものが映えなくなる。
ハイヒールだって似合わなくなる。
大人にとって髪は、まさしく服に等しいもの。
70代80代になっても、美しいハイヒールをはき続け、
若い人をもハッとさせるようなオシャレなマダムでいるためには、
華やかで力強い髪が不可欠なのである。

ちなみに、ボリュームがあって美しいウエーブがあって、
手間がかかっていること、それが華やかさとインパクトを生むカギである。
だから髪が痩せてしまう前に、今から髪のアンチエイジングを始めよう。
齋藤 薫 [美容ジャーナリスト]

女性誌編集者を経て独立。 女性誌において多数の連載エッセイを持つ他、美容記事の企画、化粧品の開発・アドバイザー、NPO法人 日本ホリスティックビューティ協会理事など幅広く活躍。『Yahoo!ニュース「個人」』でコラムを執筆中。新刊『されど“男”は愛おしい』(講談社)他、『“一生美人”力人生の質が高まる108の気づき』(朝日新聞出版)、『されど“服”で人生は変わる』(講談社)など著書多数。