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齋藤 薫の老けない人。老けない話。

vol32 自分の一番美しい声で喋る心がけ、 それはアンチエイジングの盲点だった。

 若く見える人と老けて見える人の差がどこにあるか? これまで散々語られてきたテーマだけれども、多くの人が見落としている事が一つある。人の印象を作るのは、見た目だけではない、じつはとても大切なのが、声。  たとえば、瀬戸内寂聴さんは、大正11年生まれ、なんと今年96歳になる。でも、時々テレビなどで見かけるお姿は、とうていその年齢には思えない。と言うよりも、年齢と言う概念を全く無意味なものにするほどの存在の輝きを放っている。とは言え現実に96歳、この華やかな発光感は、ほとんど奇跡である。かくして、この人の魅力を語り始めたらキリがないけれど、 何よりもこの人を若く見せているのは、満面の笑みと、そして美しい声。

 まさしくこういう声こそを、〝鈴を転がすような〟と表現するのだろう。澄み切った明るい高音が、文字通りリリリンと心地よい鐘を鳴らすよう。講話の内容自体、もちろんこの上なく素晴らしいけれど、その鈴を鳴らすような声で伝えられる教えは、信じられない浸透力で人の心の中に染みこんでいく。何よりも傷んだ人をもたちまち元気にする力があるのには、驚くばかり。声とはいかに大切か思い知らされるけれど、声もまた96歳の声ではない。まるで20代の声……。

  言うまでもなく声も歳をとる。女性の場合、年齢とともにだんだん声が低くなり、なんというか水分も減ってきて、ざらざらと乾いてくる。これもまた、女性ホルモン分泌の低下が原因の1つとされる。だから、男性の場合は年齢とともに声が逆に高くなるとされるが、やはりこれもホルモンバランスの変化によるもの。性ホルモンが声質老化の鍵を握っているのだ。加えて声帯そのものの衰えとヒアルロン酸の減少、日々の喉の渇きなどのひっくるめて女の声は低くなり、かさついていく。

 でもこれはあくまで一般論で、声の若さに大きな個人差があるのは確か。瀬戸内寂聴さんが20代の声を持っているのも、つやつやの肌を見ればわかるように、今なお細胞分裂が活発である証。加えて、人として生きることをたくさんの女性たちに指南しているその使命感と言うものが、この人を女性としても老けさせないのだろう。あるいは女性ホルモンの量にまで影響しているかもしれない。でなければ、肌はもちろん、あの声の透明感もありえないこと。肌にも声にもたっぷりの水分が見えるのはもちろんのこと、女性ホルモンの息遣いが聞こえるほど。

 もう気づいたはず。なんだか若く見える人って要するに声が若いのだ。必ず、美しく明るく艶やかな声をもっている。もちろん声が低いから老けていると言うことでは無く、あくまでも明るさと透明感が決め手。でも、美しい声を出そうとすれば女性の声はだいたい何トーンか高くなり、だから明るく透き通るのだ。声からもう一度アンチエイジングを始めてみて欲しい。発声や歌の練習はそれ自体がエイジングケアにもなるし、喉からではなくお腹からきちんと声を出すような、腹式呼吸のトレーニングもまた若さにつながるはず。

 ふと思ったのは、携帯電話の普及で女性は少し損したかもしれないということ。なぜなら家の電話では1オクターブも高い声を出して「〇〇でございます」と応対をする女性が多かった。実はこれがとても大切なアンチエイジングだったのだ。だからもう一度改めて、美しい声を育てたい。あなたの一番美しい声を出す心がけ、それが印象のアンチエイジングになるはずだから。
 
齋藤 薫 [美容ジャーナリスト]

女性誌編集者を経て独立。 女性誌において多数の連載エッセイを持つ他、美容記事の企画、化粧品の開発・アドバイザー、NPO法人 日本ホリスティックビューティ協会理事など幅広く活躍。『Yahoo!ニュース「個人」』でコラムを執筆中。新刊『されど“男”は愛おしい』(講談社)他、『“一生美人”力人生の質が高まる108の気づき』(朝日新聞出版)、『されど“服”で人生は変わる』(講談社)など著書多数。

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