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齋藤 薫の老けない人。老けない話。

Vol.13 娘から母へ、 きれいになるエネルギー そのものを贈るということ

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80代になる母親に、〝誕生日〟だ〝クリスマス〟だ〝母の日〟だと、
せっせとプレゼントを贈るのは、
平坦な日常に少しでも変化をもたらせたら、とそう思うからだが、
プレゼントの内容は、年を経るほどに確実に変わってきている。

昔はむしろ、趣味を深めてほしいからと、
習字のための硯や油絵のための絵の具を意識して選んでいたりしたけれど、
80代に向かって、逆に意図的にバッグやアクセサリーに切り替えているのだ。
言うまでもなく、若返りのため。いや、家に閉じこもりがちにならないため。

女はどんなに歳を重ねようと、
新しいバッグを手にしたら、外出したくなるに決まっているから。

その効果はまさにてきめんで、新作バッグを贈ると、
「どんな服に合うだろうか?」「どの靴と合わせたらいいだろうか?」と、
たちまち眠りかけたお洒落心が燃えあがる。
時には、そのバッグに合う服や靴をわざわざ買いに出かけたりするほど。

つまり当然のように、外出が好きになる。
10歳くらい一気に若返ったように見えたりするのも、気のせいではないはずだ。
まるで新しいバッグに、何歳分かの命を吹き込まれたように見えるほど……。

若い頃は若い頃で、新しいバッグは、玄関で出かけていく背中を押してくれた。
たとえば、仕事に出かけるのが憂鬱な日、くたくたに疲れている日、
バッグは明らかに一日分のエネルギーとなって、重い体を引っ張っていってくれたのだ。
それが女にとって、ブランド物のバッグであり、新作のバッグなのである。
理屈ではなく、それを所有するだけで、気持ちが高揚するから……。
たぶん女は、バッグなしでは外出ができない生き物だから。
女のバッグはそういう意味で特別な意味を持たされ、
不思議なパワーを持たされているいるのだと言ってもいい。

だからプレゼントには、そういうパワーがとりわけ強そうな一点を選ぶわけで、
必然的に母親が歳を重ねるほど、プレゼントするものが派手になっていく。
もちろんその方が人を立ちあがらせ、外に連れ出す力は強い気がするから。
さらに言えば、プレゼントが年々トレンドを意識したものにもなっているかもしれない。
その方がお洒落の意欲も高まるはずだから。
そうやってハードルを上げていくことが、
より高度なアンチエイジングになるに違いないからである。

その証拠に、お洒落になるほど美容にも気を使い、
肌でも顔立ちでも、若返りをはかろうとする。
だから言うまでもなく、歳をとるほど、エステや化粧品のギフトも効果的。
体中を若さがめぐるはず。美の連鎖がそこに生まれるのだ。

80代の母は実際、こんなに派手なもの、私には無理よとか、
この歳で、どこに出かけるの?と口では言いながらも、
結果的にいそいそと出かけて行く。
お洒落とはそういうもの。
だから女は一生お洒落をし続けなければいけないし、
娘の使命として、母親にそういう力を与え続けなければならないのである。
そういうパワーがどんなものに宿っているのか知っているのは、
同じ女である娘だけなのだから。
齋藤 薫 [美容ジャーナリスト]

女性誌編集者を経て独立。 女性誌において多数の連載エッセイを持つ他、美容記事の企画、化粧品の開発・アドバイザー、NPO法人 日本ホリスティックビューティ協会理事など幅広く活躍。『Yahoo!ニュース「個人」』でコラムを執筆中。新刊『されど“男”は愛おしい』(講談社)他、『“一生美人”力人生の質が高まる108の気づき』(朝日新聞出版)、『されど“服”で人生は変わる』(講談社)など著書多数。

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