Vol.5 シミのケアにはビタミンCが有効!? その理由と取り入れ方とは?

2020.09.05

Vol.5 シミのケアにはビタミンCが有効!? その理由と取り入れ方とは?

年齢を重ねるにつれてお肌のお悩みは増えていきますが、とくに多くの女性を悩ませるのが「シミ」の存在です。 肌にシミがあると、見た目年齢を上げたりスキンケア不足な印象を与えたりしてしまいます。

いつまでも若々しく健康的な美しさをキープするためには、シミの予防・ケアが必要不可欠。 しかし、「どうやってシミをケアしたらよいか分からない」と頭を抱えている方も多いでしょう。 そこで今回ご紹介したいのが、シミの改善にビタミンCを取り入れようというもの。

シミ改善とビタミンCにはどのような関係があるのか、またどのようにしてスキンケアに取り入れればいいのかなど、詳しくお話していきます!

INDEX

そもそもなぜ「シミ」ができてしまうの?

シミができる原因

多くの女性を悩ませているシミですが、これができる原因は紫外線やホルモンバランスの乱れ、摩擦などがきっかけで起こるメラニン色素の増加です。 メラニン色素と聞くと、シミの発生を連想させるため悪いイメージを抱きがちですが、実は肌を守るための大切な働きをしています。 先述した通り、メラニン色素は紫外線などの刺激によってメラノサイトという細胞で生成されますが、ケラチノサイトに受け渡されたあとは、そのターンオーバーによって排出されるもの。

しかし、加齢や生活習慣の乱れ、スキンケア不足、栄養バランスの偏りなどがあるとケラチノサイトのターンオーバーが滞り、メラニン色素が排出されにくくなります。

また、紫外線や、何らかの炎症、または肌への摩擦が習慣化しているとメラニン色素の生成が、排出のスピードを上回るために肌の色が褐色調になります。 紫外線による肌の変化が一時的で、全体に均一に生じる場合は「日焼け」という生理的な変化ですが、部分的に起きるものは、「シミ」や「炎症後色素沈着」と呼ばれます。

シミにはビタミンCが効果的!? その真相とは?

シミを予防・改善するためにはメラニン色素の過剰な生成をおさえることが重要ですが、それに役立つのがビタミンCです。 ビタミンCには、メラニン色素の生成を抑えるだけでなく、すでにできてしまったシミを薄くするという働きがあります。 つまり、ビタミンCを活用すれば効果的にシミの予防と、ケアの両方にアプローチすることができるのです。

ところで、「ビタミンC入りのクリームを塗って外出するとシミができやすくなる」という説を聞いたことがありませんか? この説には、二つの誤解が含まれています。1つは、「ビタミンC=柑橘類」という誤解、もう1つは、「ビタミンC+日焼け=シミ」という誤解です。 1つずつ見ていきましょう。

ビタミンC

ビタミンCは、上記のような構造をもつ物質で、柑橘類以外にもパプリカやブロッコリー、キャベツ、じゃがいもなどの野菜にも含まれています。また、ビタミンCそのものは皮膚に塗ってもバリア機能に阻まれてほとんど吸収されません。 しかし、柑橘類の果皮に含まれるリモネンは、酸化すると皮膚刺激や感作を起こす恐れがあります。

また、グレープフルーツやベルガモットの果肉に含まれるソラレンには、光線過敏を引き起こすことが知られています。 つまり、柑橘類の果皮や果肉が含有するビタミンC以外の物質の作用と、光線の組み合わせが、皮膚炎を起こしてシミを作る可能性があるということです。

紫外線とシミ

ビタミンCがシミに作用するメカニズムとは?

ビタミンCがシミに作用するメカニズムを知るためには、まずシミができる過程を理解する必要があります。 表皮細胞が紫外線を浴びると、その信号が色素細胞、すなわちメラノサイトへ伝わります。 信号を受けたメラノサイトはチロシンというアミノ酸をメラニンへと変化させますが、このときに働くのがチロシナーゼと呼ばれる酵素です。

チロシナーゼはチロシンをドーパへ変化させ、ドーパをドーパキノンへ、ドーパキノンをメラニンへと変えていきます。この間、徐々に色調が濃くなって最終的に褐色~黒色のメラニン色になります。

メラニン色素

チロシナーゼの働きによって生成されたメラニンはメラノサイトから表皮細胞に受け渡され、やがてシミとして目に見えるようになります。

ビタミンCには、チロシナーゼがチロシンを阻害する働きがあります。 チロシナーゼの働きを抑えてメラニンの生成を正常化すれば、シミの発生を防ぐことができるのです。 さらに、ビタミンCには濃くなったメラニンを淡い色に戻す還元作用があります。 つまり、メラニンの過剰な産生を防ぎ(予防)、メラニンそのものの色調を変える(ケア)のが、ビタミンCの作用なのです。

ビタミンCに期待できるシミ対策以外の効果とは?

ビタミンCにはコラーゲンの生成を助ける働きがあり、間接的に肌の弾力性や免疫能の強化、骨や筋肉の維持、傷の治癒促進、動脈硬化の予防など、さまざまな面で健康を支えてくれています。

また、ビタミンCはストレス時の体の機能維持にも関与しています。 ストレスがかかるとアドレナリンが分泌されますが、ビタミンCはアドレナリンの合成に不可欠です。

さらに、ビタミンCは白血球の産生にも関わっています。ビタミンCが充分に体内に行き渡っていると、体内の免疫システムが強化され、外から侵入してきた細菌やウイルスから体を守ってくれるのです。 その他、肌の新陳代謝を整える、血中のコレステロール値を下げる、腸のぜん動運動を活発にして便秘を解消させるなど、ビタミンCには数えきれないほどの効果が期待できます。

ビタミンCでシミを予防・ケアする方法とは?

シミ予防・ケアのためにビタミンCを取り入れる場合、気軽に始める方法はビタミンCが多く含まれる野菜や果物を食べるというものではないでしょうか。

しかし、一定量を毎日継続的に摂取することはとても大変です。また、血流にのって全身に運ばれるビタミンCを、肌に効率的に効かせるのは困難です。 そこで、ビタミンCを効果的にシミへとアプローチさせる方法として、ビタミンC入りのスキンケアアイテムがあります。ただし、ビタミンCそのものを直接肌に塗るのではなく、ビタミンCの前駆物質であるプロビタミンCや、ビタミンC誘導体を選びましょう。

ミューノアージュの美白美容液

皮膚表面の角質層は、水をはじく性質をもっているため、水によく溶けるビタミンCは簡単には浸透しません。 そこで、皮膚に染み込みやすい性質に変化させて、吸収率をよくする必要があります。

また、ビタミンCは不安定な物質で分解されやすいため、安定した性質に変えて使わなければ化粧品やスキンケアアイテムとしての用途に耐えうるようになります。 プロビタミンCやビタミンC誘導体は、いずれも上記の目的に沿うよう改良されたビタミンC製品ですので、化粧品選びの参考にしてください。

肌のターンオーバーは、年齢によって延長しますが4~7週間程度です。したがって効果を実感するためには、表皮が入れ替わるまで、1~2ヶ月は続けましょう。

なお、意外と見落としがちな首やデコルテなどのボディパーツにも塗ることもお忘れなく!

ビタミンCを効率的に摂取できる「高濃度ビタミンC点滴」

ビタミンC点滴

点滴でビタミンCを取り入れる方法は健康維持、美白対策、免疫能強化に対して広く行われています。最近では自費診療で、通常より多い量のビタミンCを点滴する治療に大変人気があります。点滴で血管内に一度にたくさんのビタミンCが入ると、内服等では充分に行き渡らない末梢組織にもビタミンCの恩恵が届きます。

「疲れていてやる気がでない」「寝つきが悪い」「夏バテ」「風邪をひきやすい」「肌あれ」「髪にコシ・ハリがなくなった」などの不調に効果が期待できます。

基本的なシミ対策も押さえておきたい!

日焼け止め対策

ビタミンCを活用したシミ対策も大切ですが、基本的な予防策対策方法についても確認しておきましょう。 シミができる最大の原因は紫外線です。 そのため、「いかに紫外線を浴びないようにするか」ということが重要なポイントです。 日焼け止めや日傘、帽子といったアイテムを活用し、直接当たる紫外線と同時に、水や白い壁などに反射する紫外線にも気を付けましょう。 もちろん、露出している肌にはしっかり日焼け止めを塗っておくことも忘れてはいけません。

その他、規則正しい生活習慣を心がけて十分な睡眠をとり、ストレスをためないように心がけることで肌のターンオーバーが整います。 ニコチンには体内のビタミンCを壊す作用があるため、喫煙は避けましょう。

ビタミンCでシミをケアした健やかな肌へ!

1)シミに対するビタミンCの作用
メラニンの過剰な産生を防ぎ、メラニンそのももの色調を変える

2)シミ以外に期待できるビタミンCの効果
皮膚、筋肉、骨の維持、傷の治癒促進、免疫能の強化、動脈硬化の予防

3)ビタミンCの取り入れ方
プロビタミンC、ビタミンC誘導体が配合された化粧品の活用、高濃度ビタミンC点滴


一度できてしまったシミを薄くするには手間や時間がかかります。毎日コツコツ継続して行うケアは改善へのカギ。 「もう年だから……」などといって諦めず、ビタミンCのパワーを信じてスキンケアに取り組みましょう。

  • ミューノアージュ / MUNOAGE

    東京六本木ミッドタウン皮膚科形成外科Noage監修の元、誕生したブランド。年間1万人を超える臨床知見を基に、確かなソリューションと高品質なサービスをお届けしています。

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